知っておきたい犬と栄養の関係<炭水化物編>

摂り過ぎに注意!知っておきたいワンちゃんと栄養の関係!炭水化物編

Feeding cute black dog rice with fork as a child
 

かつて肉食であったワンちゃんにとって理想の食事とされるのは、「高タンパク・低炭水化物・低脂肪」と言われています。

しかし、エネルギー消費の激しい成長期や授乳中、またはアジリティなどのスポーツを行うワンちゃんにとっては炭水化物も大事な栄養素のひとつ。
大量に摂取する必要はないですが、不足してしまうと体に影響が出てしまうことも…。

その一方、パンやごはんなどの炭水化物を多く含む食べ物を、つい愛犬にあげてしまうなんて方もいるかもしれません。

今回は、私たち人間にとって身近な炭水化物の役割や、過剰摂取の注意点について紹介します。

 

炭水化物の働き

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ワンちゃんは雑食寄りの肉食とされているため、炭水化物を消化・吸収することがあまり得意ではありません。しかし、ワンちゃんが健康的に生きるためには欠かすことができない栄養素でもあります。

では、炭水化物にはどのような働きがあるのでしょうか。

 

エネルギー源

炭水化物はタンパク質、脂質と並ぶ、三大栄養素のひとつ。三大栄養素はどれも、ワンちゃんが元気よく活動するためのエネルギー源となります。

その中でも炭水化物に含まれるでんぷんは、タンパク質や脂質に比べ、消化吸収のスピードが速いため、エネルギーとしてすばやく使える特徴を持っています。

そのため、アジリティなどのスポーツを行うワンちゃんの体に適しているとも言えます。

 

腸の健康維持

炭水化物には食物繊維も豊富に含まれています。

食物繊維は水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維に分けられ、どちらの食物繊維も腸内環境を整える働きがあります。

水溶性食物繊維は、小腸での吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑制。さらに、余分なコレステロールや脂肪酸などを外に排泄する働きも。

不溶性食物繊維は水分を吸収して便の量を増やたり、便通をよくしてくれます。便秘の解消にも効果が期待できるでしょう。

 

脳にエネルギーをおくる

炭水化物は分解すると糖質と繊維質に分けられます。糖質は、脳にエネルギーをおくることができる唯一の栄養素。体に吸収されたブドウ糖はエネルギー生産のために使われるほか、肝臓や筋肉でグリコーゲンとして蓄えられます。

 

炭水化物不足になるとどうなる?

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ここまで炭水化物の必要性をお伝えしてきました。
では、炭水化物が不足してしまうと、ワンちゃんの体にはどのような影響があるのでしょうか。

 

栄養バランスが崩れる

炭水化物に含まれる糖質はワンちゃんが活動するために必要なエネルギー源であり、食物繊維はお腹の調子を改善するために必要なもの。

炭水化物が足りないと栄養バランスが崩れ、体に不調が表れやすくなることも…。

 

疲れやすくなる

エネルギー源となる炭水化物が不足することで疲れやすくなってしまいます。

また、エネルギー消費を抑えるために休む時間が多くなり、筋肉が衰えてしまうこともあるんです。
健康的な体を維持するためにも炭水化物は適度に摂取しましょう。

 

必要な量

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では、どれくらいの量を与えるべきなのか気になるところですね。

じつは、国内のペットフードの品質基準として知られるAAFCO(米国飼料検査官協会)の養分基準では、炭水化物の量適正摂取量が定められていません。
タンパク質が十分量供給されていれば、炭水化物を積極的に摂る必要はないとされているからです。

しかし、活発に体を動かしたり、成長途中のパピーや授乳中のワンちゃんにとって、素早くエネルギーに変わる炭水化物は必要であるという研究結果もあるのです。

炭水化物の必要量の目安として、手作り食をするのであれば体重5kg程度のワンちゃんに1日10g程度のご飯を目安としてください。量が少ないと感じるかもしれませんが、肉や魚などのタンパク質とバランスよく組み合わせていれば問題ありません。

また、総合栄養食のドッグフードを食べているワンちゃんで、エネルギーの消費が多くないのであれば、追加で与える必要はありません。

 

過剰摂取に要注意

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私たち人間の食べ物には、炭水化物が含まれている食品がたくさんあります。パンやご飯、麺類など、日々の生活に欠かせない主食ばかりですね。

食事のとき、愛犬にねだられて「一口だけね」なんてあげてしまう方も少なくないと思います。
しかし、先ほど紹介したようにワンちゃんが必要とする炭水化物の量はほんのわずか。たくさん与え過ぎないよう注意が必要です。

炭水化物は過剰摂取すると、脂肪として体に貯蓄されてしまうので肥満につながりやすいと言えます。肥満は骨や関節の病気や麻酔のリスクもあり、さまざまなトラブルを引き起こすでしょう。
ワンちゃんの健康的な生活を保つためにはワンちゃんの骨格に合った体重をキープすることが理想です。

さらに、ワンちゃんはタンパク質に比べ、炭水化物の消化が得意ではないので、胃腸障害を引き起こす可能性も。適正な量をワンちゃんに与えるよう心がけましょう。

また、サツマイモなどのイモ類にも炭水化物は含まれているので、ワンちゃん用のサツイマイモのオヤツのあげ過ぎにも注意が必要です。

 

まとめ

今回は炭水化物の働きや摂取量、注意点について紹介しました。

エネルギー消費の少ないワンちゃんであればとくに炭水化物を必要としませんが、成長期や授乳期、アジリティなどを行うワンちゃんにとってはメリットの多い栄養素です。
また、お腹の調子を整えてくれる作用もあります。

愛犬の体に合わせて何を与えるべきなのかを考えてあげることが大切ですね。

 

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