ワンちゃんネコちゃんの食事を守る!ペットフード安全法について知ろう

ワンちゃんネコちゃんの食事を守る!ペットフード安全法について知ろう

Little dog maltese and black and white cat eating food from a bowl in home
 

愛犬・愛猫には、安全で体によいフードを食べて欲しいと多くの飼い主さんが考えているでしょう。

しかし、日本では2009年に「ペットフード安全法」が制定されるまで、ペットフードにおける安全基準は設けられていなかったのです。

ペットを大切な家族として一緒に暮らしている私たちからすると、とても驚くべき事実ですね。

では、ペットフード安全法ではどのような規制を設け、ペットの食の安全を守っているのかをご紹介します。

 

制定されるきっかけとなった悲しい事件


 
2007年、世界においてドッグフードを原因とした、大規模なペットの健康被害が起こりました。

カナダやアメリカでペットフードを製造している複数の会社が、メラミンやシアヌル酸といった有害物質が混入した原材料を海外から輸入し、それに気づかず製造・販売されてしまったのです。

米食品医薬品局(FDA)によれば、メラミンなどの摂取により約5,600頭ものワンちゃんに腎不全や胃腸疾患、下痢、嘔吐といった症状が確認されました。

悲しいことにそのうち、1,000頭以上が命を落としたとも言われています。

 
対象のペットフードは日本でも販売されていましたが、販売業者が迅速に自主回収を行ったことで、国内での被害を防ぐことができました。

しかし法律での規制がなかった当時、もし販売業者が自主的な回収を行わなければ、国には商品の回収・廃棄を強制する権限がなかったのです。

 
この問題を発端に、海外ではペットフードの安全性について議論がなされるようになり、その波紋は日本へも広がりをみせました。

そして2009年、農林水産省と環境省は国内で流通するペットフードの安全を守ることを目的とし「ペットフード安全法」が制定されました。

 

法律の対象となるペットフード


 
ペットフード安全法は、名前のとおりペットフードの安全を確保することを目的とした法律ですが、残念ながらすべてのペットが対象ではありません。

現在ペットフード安全法の対象となるのは、愛玩動物として飼われている犬猫が食べるもののみなのです。

また、犬猫に関する食品すべてがその対象となっているわけではありません。

主に対象・対象外となる食品は次のとおりです。

対象食品 対象外食品
主食タイプのフード(総合栄養食) 医療品
ジャーキーやふりかけなどのおかず(副食) オモチャ
ボーロ、スナックなどのおやつ フードの容器
療法食 またたび
ガム 猫草
ペット用生肉 店内で飲食されるフード
サプリメント 調査研究用のフード
ペット用ミネラルウォーター

 

法律による規制

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ペットフード安全法は、ペットの安全を守るためにペットフードの製造や販売に対し様々な規制を設けています。

また、この法律によって定められた基準を満たさない企業に対し、国が罰則を与える事ができます。

ペットフード安全法による規制

■安全なフードのための製造・表示の基準・成分規格の設定
■基準や規格にそぐわないフードの製造・輸入・販売の禁止
■ペットの健康を害するフードの製造・輸入・販売の禁止
■有害なフードや基準に反するフードの回収・廃棄の命令
■フードの製造・輸入・販売業者の立入検査
■フードの安全性に関する情報の収集・整理・分析・提供

 

この法律により定められた成分規格や製造方法に合わないペットフードは、国内での製造や輸入、販売が禁止されています。

日本ではこのようにペットの食の安全が守られているのですね。

 

フードに関わる事業者に求められること

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この法律において国が監視する対象は、ペットフードに直接関わる事業者側です。

事業者とは国内でペットフードを製造する製造業者、海外のフードを輸入する輸入業者、市場にフードを販売する販売業者の3者を指します。

これら3つの事業者はペットフードの安全を守る重要な責任があるとして、国による監視以外に下記3つの責務が定められています。

事業者の責務

■安全性に関わる知識、技術の習得
■原材料の安全性の確保
■ペットの健康被害防止のために回収等の必要な措置の実施

 

また、ペットフード安全法の目的は、フードの安全確保とペットの健康保護です。

そのためペットの体に悪影響を及ぼす有害物質などを含む原材料の使用が禁止されています。

輸入しているものも含め、国内で流通しているペットフードの製造には、以下の基準が設けられています。

ペットフード安全法の製造基準

■有害な物質や病原菌を含んだ原材料の使用禁止
■加熱や乾燥工程のある製品は、病原菌の繁殖の防止
■キャットフードにおけるプロピレングリコールの使用禁止

 

そして、私たち飼い主が目を通すパッケージの表示ついても、ペットフード安全法によって以下の記載が義務づけられているんです。

ペットフード安全法の製造基準

■フードの名称
■原材料名
■賞味期限
■原産国
■事業者名および住所

 

ペットフードの名称には、“ドッグフード”や“キャットフード”など、どちらに対応したフードであるか、はっきり示す必要があります。

また、原材料はすべて表示する義務があります。記載される順番は原材料に対する割合が高い順と決まっているので、主原料が気になる場合には、1番目に書かれているものを見るようにしましょう。

 

まとめ

国内に流通するペットフードは、ペットフード安全法によって規制されています。

とはいえ、大切な家族であるペットには、より安全で安心できるペットフードを選んであげたいというのが飼い主さんの思いですよね。

 
ペットにとっていいフードは年齢や体調によって変わるため、愛犬の健康状態に合わせながらベストなものを選んであげましょう。

大切なことは、飼い主である私たちがペットフードの内容をしっかり調べて、納得のいくものを食べさせてあげることが大切です。

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