猫といえば、マイぺースで飼い主の指示をあまり聞いてくれないイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、そんな自由きままな猫には、驚くべき能力が隠されていたのです!
ハンガリーにあるエトヴェシュ・ロラーンド大学の研究によると、猫にも高い知能が備わっていることが明らかになりました。
この論文は、長年に渡り犬の認知能力を研究してきたハンガリーのクラウディア博士が、ある日本のネコちゃんと出会い、猫にも人間の動きの真似をする能力が備わっていると証明しました。
犬をはじめシャチや類人猿、イルカといった賢い動物たちは、すでに人の行動を真似る動作が観察・報告されています。
しかしそうした種は決して多くなく、家猫がこれに続くとは予想されていなかったため、今回の発見は大いに驚きをもってとらえられています。
その驚くべき能力を証明したのは、日本で犬の訓練士をしているお宅のエビスちゃんという猫。
ご褒美のオヤツをもらうために、犬のトレーニングに参加し、その能力を発揮しました。
Claudia Fugazza(Licensed under CC BY 4.0)
エビスちゃんが受けていたのは、犬の訓練では一般的である「Do as I Do法」という方法です。
この訓練では犬にあらかじめ覚えさせた動作を、人間が目の前で実演し「Do as I Do.(私のように真似て)」という号令で、真似させるというもの。
エビスちゃんも「Do as I Do法」により、以下の動作を訓練しました。
・くるくる回る
・後ろ足で立ち上がる
・揺れるおもちゃを前足で触る
・小さなプラスチック製の引き出しを開ける
・ゴムひもを噛む
・特定の姿勢で横たわる
すると、飲みこみの早いエビスちゃんは次々と習得。
さらに、上手にできたらご褒美のオヤツをもらえるルールを設けたところ、数日に分けて行われた計16回のテストにおいて、実に81.2%の確率で行動の真似をしてみせることに成功しました。
別のテストでは、飼い主さんが箱に手を触れる動作を見せ、真似するように指示すると、エビスちゃんは前足で箱に触れてみせました。
続いて箱に顔をこすりつける動作でのテストでも、飼い主さんが実演したように、箱に自分の顔をこすりつけました。
これはつまり、猫は人間の体の部位を認識し、それが自分の体のどの部位にあてはまるのかを理解しているということになります。
このように、この論文では猫のもつ能力の高さが示されました。
ですが、じつは猫と暮らしていれば、この事実を既に知っていた、と言う方もいることでしょう。
きっと特別なトレーニングを積んでいなくても、日々の暮らしの中でこの能力を発揮しているネコちゃんも多いはず。
しかし、これまでその能力の高さは科学的に証明されてこなかったのです。
つまり、研究がされていないだけで、猫以外にも高い能力を秘めた動物が存在するのではないかと示唆されています。
今回の研究は、猫だけではなく動物研究全体において、とても大きな意味を持つものであったと言えるでしょう。
(画像は該当論文公開資料より)
参考リンク📝
Animal Cognition
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