ネコちゃんの代表的な問題行動のひとつに、「トイレの粗相」が挙げられます。
「ちゃんと清潔なトイレを設置しているのに」とお悩みの方も多いのでは?
仕方がないと分かっていても、粗相されてしまうと、掃除の手間や匂いの問題など、飼い主さんにとっては大きな負担になってしまいますよね。
実は、この問題行動には、トイレ容器の大きさや、猫砂の種類が大きく関わっていることが、これまでにも指摘されてきていました。
そこで、国内の猫トイレ製造販売メーカーと東京猫医療センターが共同で“猫の快適なトイレ環境に関する実態調査”を行ったところ、「トイレ容器の大きさや猫砂について、確かな好みがある」ということがわかりました。
まずトイレ容器の大きさについて、東京都内の猫カフェ3店舗に協力をあおぎ、合計78頭もの猫の行動を調べました。
フリースペースに「40センチ」「50センチ」「60センチ」の横幅サイズの異なる3個の段ボール製トイレ容器を設置し、3日間の排泄回数を比較。
なお、奥行きや高さのサイズは固定し、その他の要素が影響を与えないよう、調査開始とともにスペース内を無人としたり、猫砂の種類や入れる深さは一定に、容器や猫砂は調査日ごとに新品に取り替えることとしました。
また、使ったことのない猫砂や容器で、環境変化ストレスを受けることがないよう、普段店舗で使われている猫砂とトイレ容器も1セット設置し、ビデオカメラによる記録から調査結果をまとめました。
3日間の調査の結果、普段使われているトイレは27回、横幅40センチのトイレ容器では39回の利用であったのに対し、横幅50センチになると82回に増加、60センチでも83回と同程度に多くなりました。
トイレの総回数でみた利用度は、横幅50センチ以上の容器が全体の71.4%を占め、猫にとくに好まれる大きさであるということが分かりました。
調査対象となった猫のうち、無作為に抽出した11頭の平均胴長(体長)は33.6センチだったので、目安として愛猫の体長の1.5倍程度以上を確保しておくことがポイントなのかもしれませんね。
続いて、トイレの中に敷く猫砂の好みはどうでしょうか。
東京都内の猫カフェ4店舗に協力をあおぎ、合計46頭の猫の行動を調べました。
横幅48~60センチ、奥行き32.5~44センチ、高さ20~21センチのポリプロピレン製トイレ容器を3個用意し、それぞれに鉱物系、木系、紙系の猫砂を1種類ずつ入れて、3日間に使用された回数を比較しています。
猫砂はどれも尿を吸収して固まるタイプで、それぞれのトイレ容器の深さ5センチ分まで入れるようにしました。
容器サイズは店舗ごとで統一し、位置による影響が出ないよう、トイレを置く場所の交換も毎回行っています。
結果は、鉱物系が258回、木系が152回、紙系が66回の排泄回数となり、鉱物系が全体の54.2%を占める圧勝。
ネコちゃんに人気の猫砂は鉱物系のようです。
今回の結果から、猫がとくに好むのは、「横幅50センチ以上の容器に、鉱物系の猫砂を入れたトイレ」といえそうですね。
トイレや猫砂を選ぶ際、ついついデザイン性や掃除の手間などから選んでしまうこともありますよね。
でも、毎日使うネコちゃんの目線で、快適なトイレを用意してあげたいものです。
もしかしたら困っていた粗相の問題も、実はトイレの居心地、使い心地が良くないからなのかもしれません。
ぜひこの機会に見直してあげて、互いにもっと気持ちよく暮らせるようになると良いですね。
(画像はプレスリリースより)
参考リンク📝
ライオン商事株式会社
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