愛犬との暮らしの中でスキンシップは欠かせないものですよね。
かわいくてつい撫でてしまうというのはもちろん、愛情表現として意識的に触れ合いを大切にされている飼い主さんも多いでしょう。
そのスキンシップの延長で、愛犬の体をマッサージすることはありますか?
私たち人間がマッサージをしてもらうと癒されるように、ワンちゃんもマッサージで心地良くなれるのです。
それが大好きな飼い主さんの手で与えられるなら、さらにプラスな効果が期待できますよね。
今回はワンちゃんの体や心に良い影響を与えるマッサージについて、ポイントや注意点を紹介します。
マッサージで愛犬との絆を深めてみてはいかがでしょうか。
マッサージにはどのような効果が期待できるのでしょうか。
じつは体だけではなく、心にもいい効果があるのをご存知ですか?
まずはどのようなメリットが得られるのかを見ていきましょう。
人間と同じように、マッサージには筋肉や関節のこわばりを解消し、血行を促進する効果が期待できます。
血液の流れは、全身に酸素や栄養素がいきわたらせ、不要な二酸化炭素や老廃物を排出するはたらきを担うもの。
血行が悪くなると内臓機能や免疫力が低下してしまい、体の不調の原因となることもあるのです。
とくに、寝て過ごすことの多いシニアのワンちゃんは、運動不足による手足の冷えや筋肉の緊張を起こしやすいため、マッサージで血液の循環をよくしてあげることをおすすめします。
多くのワンちゃんはスキンシップを好む動物です。
母犬が子犬を舐めるように、大好きな飼い主さんに触れられることに喜びを感じます。
だからこそ、飼い主さんが直接手で触れマッサージをすることで信頼関係が深まるのです。
心理的にもいい効果があるのは嬉しいですよね。
ワンちゃんのストレスを発散させるには、遊びや散歩が有効ですが、マッサージにもストレス軽減効果が期待できます。
マッサージによってワンちゃんはリラックスし副交感神経が働き、心拍数を落ち着かせることができるのです。
また、大好きな飼い主さんのマッサージによって、幸せホルモンである「セロトニン」や「オキシトシン」が分泌されます。
マッサージすることで体の隅々まで触れることができるため、愛犬の異変に気付きやすくなります。
たとえば、傷や皮膚の炎症、しこりは触ったり目で見ることで分かります。
また、脱水症状を起こしている場合には、皮膚を引っ張った時の弾力や元に戻るまでの時間の長さによって気が付くことができるのです。
私たちとは体の構造や生活の仕方が異なるため、どこをマッサージしたらいいのか迷ってしまいますよね。
そこで、ここでは喜ばれやすいマッサージを紹介します。
ですが、どこを気持ちよく感じるかや、どれくらいの強さが好ましいかはワンちゃんによるので、愛犬の反応をよく見るようにしましょう。
体の部位の中でも範囲が広い背中は、飼い主さんにとってもマッサージしやすい部位です。
まずは背中の毛並みに沿って、手のひらで優しく撫でてあげることから始めます。
ワンちゃんが慣れてきたら背骨の脇の筋肉や、首からお尻にかけてのツボを撫でたり優しくつまんだりして、柔らかく刺激してあげましょう。
とくに固くなっている部位を優しく刺激することで、コリがをほぐすことができます。
また、背中から前足の付け根にある広背筋は疲労が溜まりやすいため、少しずつほぐすようなイメージで優しくさすってあてましょう。
四足歩行であるワンちゃんは、私たち人間を見上げる姿勢になることがとても多く、緊張しやすい部位。
マッサージすることで筋肉の緊張をほぐし血行改善効果が期待できます。
首の後ろを優しく掴んで揉んだり、少し引っ張り上げてゆっくりと元に戻すという動きを繰り返してあげましょう。
お腹を撫でてもらうことが好きなワンちゃんは、マッサージも喜ぶことが多い部位です。
胃腸が弱いワンちゃんや消化機能が低下しているシニアのワンちゃんには、抱きかかえる形で手のひらを使い、右回りに円を描くようにお腹をマッサージしてあげましょう。
便秘や下痢があるワンちゃんに効果的なツボは、後ろから見たときに1番後ろの肋骨から数えて4番目の背骨の左右にある大腸愈という場所です。
その場所をゆっくりと「1、2、3」と数えながら優しく押し、同じく「1、2、3」と数えながら戻します。
強く押しすぎないように、力を加減して行いましょう。
脚の付け根から足先までを、筋肉に沿って優しく手のひらで撫でたり揉みほぐし、指先で円を描きながらマッサージしましょう。
太ももの裏も疲れがたまりやすい場所なので、優しくなでてあげると効果的です。
同時に普段の関節がどれくらい曲がるか確認しておくと、関節の異常時に気づきやすくなりますよ。
鼻から後頭部にかけては、ワンちゃんが撫でてもらうと喜びやすい場所です。
とくにおでこと眉間をマッサージをすると、ワンちゃんはうっとりと気持ち良さそうにします。
人差し指か親指で鼻先、眉間、目の上、こめかみ、耳の後ろと順番に撫でるようにマッサージしていきましょう。
耳は親指を内側に、人差し指を外側に挟むようにして、耳の付け根から耳先に向かって優しく広げるように伸ばしていきます。
耳のマッサージを好むワンちゃんも多いので、ゆっくりと時間をかけてあげると気持ち良いでしょう。
マッサージによってワンちゃんの体に良い効果をもたらすためには、いくつか注意すべき点があります。
飼い主さんによるマッサージが癒しの時間になるよう注意点を守って行いましょう。
ワンちゃんへのマッサージは揉むだけでなく、さすったり、皮膚を優しく伸ばすだけでも効果が見込めます。
揉む際は力を入れすぎないように注意が必要です。
揉むと言っても私たちの肩揉みのような力加減ではなく、軽く掴んだりつまむようにして、愛犬の反応を見ながら力を調節してください。
小型犬やシニアの場合には、骨や関節を痛めたり、揉み返しが起こる可能性もあるため、優しくさするだけに留めましょう。
ワンちゃんによっては、触られるのが苦手な体の部分があるかもしれません。
「そこは触らないで」という反応をしたときは、その部分を避けるようにしましょう。
マッサージの目的は、ワンちゃんがリラックスして心地良い気分になることです。
嫌がっているのに無理に触ったり、ツボを押さえつけたりするのはやめましょう。
また、日によってはワンちゃんがマッサージをする気分ではなく、ゆっくりと休んでいたいときもあります。
愛犬の反応がイマイチのり気ではない日は、控えるようにしましょう。
激しい運動をした直後やごはんを食べたばかりの後は、体温の過度な上昇や消化不良を起こす危険性があります。
ワンちゃんの状態が落ち着くまで、マッサージをするのは避けましょう。
ワンちゃんに持病があったり、治療中の疾患があるときは、飼い主さんの自己判断でマッサージを行うことはやめましょう。
体の状態によっては、体を温めたり疾患部分に触ると状態が悪化することもあるので、自己判断せずに事前に動物病院で相談するようにしてください。
ワンちゃんは飼い主さんに優しく撫でてもらうことが大好きです。
同様に飼い主さんもワンちゃんを撫でていると、幸せな気分になりますね。
その延長のマッサージタイムがワンちゃんにも飼い主さんにも、よりいっそうのリラックスと癒しのひとときになれば良いですね。
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