1989年のトム・ハンクス主演映画『ターナー&フーチ』で、フレンチ・マスティフのフーチが人気となり、1992年のアメリカ映画『ベートーベン』では、セント・バーナードが脚光を浴びました。
どちらの犬種もたるんだ口元からよだれを垂らしている姿が愛嬌たっぷりで印象的ですよね。
このような上唇が緩い犬種の場合、普通にしていてもよだれが出るため、胸毛やベッドを濡らしてしまいます。
しかしそういった犬種ではない子が大量のよだれを垂らしている場合には、少し注意が必要です。
そこで今回はワンちゃんがよだれを垂らす原因と、よだれが多い子の対処法を紹介します。
愛犬がよだれを多く垂らす場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。
健康に問題のない場合も多くありますが、体調不良や病気が疑われるケースもあるため飼い主さんは考えられる原因を知っておくといいですね。
ここではどんな理由でよだれが多くなるのか、主な原因を紹介します。
ワンちゃんは大好きな食べ物を目の前にして「おあずけ」されると、よだれが多く分泌されます。
これは食事や消化を助ける、正常で健康的なよだれのため健康状態に問題はありません。
私たち人間と同じように、眠っている時などにサラサラとしたよだれを垂らすことがあります。
これは副交感神経が働いていてリラックスした状態の際に出るものなので心配不要です。
ワンプロなどワンちゃん同士で遊んだ後、顔や首まわりがよだれでベトベトになることがありますよね。
散歩中やドッグランで運動している時、他のワンちゃんと遊んでいる時には、交感神経が刺激され粘度のあるよだれを出すことがあります。
これもまた生理現象なので問題はありません。
緊張状態にある時や強いストレスを受けている時にも、生理現象でよだれを垂らすことがあります。
心理的負担を感じているので、できるだけストレスを取り除いてあげてください。
熱中症の症状のひとつに、大量のよだれが挙げられます。
夏場にパンティングが続いた後によだれを垂らすようであれば、熱中症を疑いましょう。
熱中症が疑われる場合は体を冷やすなどして体温を下げ、すぐに動物病院に連絡してください。
パグ、ボストン・テリア、ボクサー、ブルドッグなどの鼻の低い犬種は、とくに熱中症になりやすいと言われていますが、普段からよだれを垂らしていることもあり見分けにくいためとくに注意が必要です。
肝機能不全や腎機能不全を患っている場合、症状としてよだれを垂らすことがあります。
また胃拡張、捻転症候群などの消化管疾患など、様々な臓器に関する病気の可能性や、口腔内の病気、唾液腺の病気が原因となることも。
年齢が上がるにつれて、ワンちゃんも病気になりやすくなるので、早期発見・早期治療のためにも定期的な獣医師による健康診断を受けましょう。
チョコレートなど、ワンちゃんが食べてはいけないものを口にすると、中毒症状としてよだれが出るケースが多くあります。
また、食べ物以外ではチューリップ、スイセン、パンジーなどの身近な植物にも、ワンちゃんにとって毒性のある成分が含まれており、中毒症状としてよだれが出ます。
カエルやサソリ、クモなどの毒のあるものを舐めたり食べたりすると同じようによだれが垂れ、中毒症状から死に至ることも。
これらのものは決して愛犬が口にしないように注意しましょう。
車酔いの際にもよだれが多くなることがあるため、酔いやすい子は獣医師に酔い止めを処方してもらいましょう。
生理現象によってよだれを垂らすケースも多いため、病気かどうかの判断が難しい場合も多いでしょう。
よだれを拭き取ってもすぐにまたポタポタと垂れて止まらなかったり、愛犬に元気がなくうなだれていたりする場合は、深刻な状態である可能性があります。
呼びかけに反応しない、目がうつろ、ふらつく、よだれに血液が混じっているといった様子が見られれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
よだれを垂らしやすい犬種の子や興奮しやすい子と暮らしている飼い主さんの中には、愛犬の被毛や床が汚れてしまって困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、よだれに対処するためのヒントを紹介します。
愛犬の首の周りに吸収性の高い布で作られたよだれかけを付けましょう。
最近ではワンちゃん用のスタイやエプロン、スカーフなどが販売されています。
もちろん、バンダナやネックウォーマー等でも代用できますよ。
ソファなどで寝ている時には、顔の下にタオルを敷いてあげるのもおすすめです。
お散歩やお出かけの際は必ずよだれ拭き用のタオルを持参しましょう。
飲食をする際にもよだれは多く出てしまいます。
水飲み場やフードボウルの下には、タオル等の洗える敷物を敷いておき、毎日変えて清潔にしましょう。
フローリングが湿ったままになると傷みの原因になるので、トレーを置くと良いですよ。
車酔いでよだれが多くなる場合は、少なくとも乗車の3~4時間前に食事を済ませておきましょう。
車酔いしにくくなるため、よだれを防止できますよ。
よだれはいろいろな原因で垂れることがわかりました。
正常な場合もありますが、正確に判断することは難しいですね。
愛犬にほかの異常な症状がないかをしっかりと確認し、少しでもおかしいと思ったらすぐに動物病院へ行ってください。
ワンちゃんの病気は、獣医の診察を受けても原因を突き止めることが難しい場合もあります。
治療後に改善が見られなければ、セカンドオピニオン・サードオピニオンも選択肢に入れ、愛犬の命を守りましょう。
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