現在も多くの国や地域で狂犬病の発症例が見られますが、日本では1956年を最後にワンちゃんにおける狂犬病発症例は報告されていません。
その背景には1950年に施行された狂犬病予防法による、飼育犬の登録、ワクチン接種、野犬等の抑留が徹底されたことが挙げられます。
しかしながら厚生労働省の統計によると、30年前は狂犬病ワクチン接種率はほぼ100%であったのに対し、2022年度は70.8%にとどまりました。
義務化されているはずの狂犬病ワクチンは、なぜこんなにも接種率が低下しているのでしょうか。
今回は、ワンちゃんと暮らす369名の飼い主さんを対象に行われた「狂犬病ワクチン接種に関する意識調査」の結果を紹介します。
「狂犬病ワクチンに関する心配事がありますか?」という質問に対し、57.2%が「はい」と答えました。
半数以上の飼い主さんは、狂犬病ワクチンの必要性を理解しているけれど不安感が拭えないという現状が見えてきました。
では、どのようなことを心配しているのか、詳しく見ていきましょう。
具体的な不安として、64.9%が「副作用」、55.9%が「安全性」、33.6%が「飼い犬の高齢化」と回答。
そのほか、20.4%の「費用負担」、19.4%の「飼い犬の持病」といった声も上がっています。
とくにシニアや持病のあるワンちゃんと暮らす飼い主さんにとって、狂犬病ワクチンの接種は懸念点が多いようです。
愛犬の体調が優れない場合や持病を抱えている場合は、一度獣医師さんに相談する必要があるでしょう。
ワクチン接種について専門家からの説明を受けたことがあるかを聞くと、60.2%の飼い主さんが「はい」と回答しています。
一方で、35.2%は専門家からの説明を受けておらず、4.6%は「わからない」と回答していて、専門家からのサポートが届いていない飼い主さんが半数近く存在する可能性が見えてきました。
専門家からの説明を受けた飼い主さんは、75.2%が「動物病院」、37.8%が「ペットショップ」、10.8%が「ブリーダー」で説明を受けていました。
ワクチン接種の正しい知識を飼い主さんに伝える上で、ペットショップのスタッフやブリーダーも重要な役割を果たしていることが分かります。
狂犬病ワクチンに対し、副作用や安全性について不安を感じている飼い主さんが多いことが今回の調査で判明しました。
かかりつけの獣医師さんと相談すること、ワクチン接種後に副作用や体調不良の様子が見られたらすぐに診察を受けることが大切です。
万が一の時に動物病院を受診できるよう、ワクチン接種は午前中から正午にかけての早い時間帯に受けることをおすすめします。
専門家のサポートを受けながら、狂犬病ワクチン接種の必要性を知り、ワンちゃんも飼い主さんも健康で幸せな生活を送りましょう。
参考リンク
PRTIMES
この記事はいかがでしたか?みんなにシェアしていただけると嬉しいです♪
ブッチ・ジャパンによる愛犬・愛猫との毎日を応援するペットのためのコラムページ『PECOLA(ペコラ)』。犬・猫に関する豆知識や、ペットの健康・しつけなどのお悩みに関する情報をご紹介します。